アトリエ 竹日和

竹製品の紹介と日記

アトリエ 竹日和 日々の記し

動画投稿

またYouTubeに動画を投稿しました!

今回の内容は「青竹」と「晒し竹」について。

https://www.youtube.com/watch?v=x1AvWFr73iY

それぞれの特徴や差異を話しております。

興味のある方は是非。

 

以下補足

 【技術差】

 竹の種類が青竹でも晒し竹であっても、作品作りのために必要となる技術に差はほとんどありません。結局、ひご取りや編みの工程も同じなので、どちらか一方の竹で作っている職人はもう一方の竹でも作ることができます。

 

【青竹の管理の難しさ】

 また、青竹を使う職人の中には竹を年中、いつでも伐る方もいます。青竹製品は本来、日用品として流通してきた歴史があるので、虫がつくことにそこまで注意を払っていませんでした。しかし、現在では高価なものとなり、長く使えることを必要とされてきたことより、虫がつくリスクは避けなければならなくなりました。

 

 しかし、青竹は伐ってそのまま保管することになるので、秋から年末までに伐った竹は春になって暖かくなると、乾燥が進まずに腐ってきてしまいます。従って、せっかく虫がつくリスクを減らすように適切な時期に伐ったとしても、材料の質としては悪くなり、それはそのまま作品の質の低下につながります。

 

 私の場合は、伐ってきた竹を冬のうちに加工(割り・剥ぎ)してしまうことより、乾燥を促し、腐ることを防いでいます。また、加工して保管する場合はカビの影響が増える(伐ってきた竹をそのまま保管すると内側の中空の部分は外気に触れないので切り口以外はカビが生えない)のですが、それも室内保管で湿度が上がらないように注意しており、カビの発生はほとんどなく、作品作りのための材料として問題なく機能しております!

 

ちなみに、青竹は時間がたつと緑色が徐々に抜けて、ベージュっぽい色合いになります。艶はあまりないです。

 

【油抜きの方法について】

 一方、晒し竹についてですが、晒し竹というのは青竹に熱を加えて、汚れとともに竹の油分を溶かし出して、それをふき取り、天日干しをすることです「油抜き」といいます)。その結果、乾燥が促進させられ、竹材として何年も保管できるようになります。またこの時に竹から出てくる油分が晒し竹の艶となります。

 

 私は「乾式油抜き」といって、竹を炙って、拭き上げ、天日干しにするという方式を行っています。(他には苛性ソーダを入れて煮る「湿式油抜き」という方法があります。)

 

 実は「乾式」では一本一本を炙っていくため手間がかかってしまいます。では、なぜそんな非効率なやり方でやっているかというと、

1)乾式の油抜きは湿式に比べて艶が出る

2)色合いが山吹色で美しい ※「湿式」は白っぽい

3)水浸みができにくい

が主な理由です。

1)と2)は美観的な理由ですので、好みによります。あくまで私の個人的な意見で、私はそれが竹としての美しさが出ていると感じていますが、人それぞれでしょう!

3)はひごや作品が水に濡れた時に「湿式」の竹だと水玉模様状のシミが竹に残り、ずっと消えないという現象が起こるとこがあります。これは乾燥がうまくいかなかったときに生じるようです。ですので「湿式」の竹の加工は水に浸けたあとは乾燥に気を使っていました。これが「乾式」では何故かはわからないのですが気を付けていなくてもシミが生じません。

 

 

 こういった、同じマダケでも伐った後の処理によって、色々な姿を見せてくれます。それぞれに特徴はあるのですが、作品を買われる方は自分の好みで選ぶといいと思います!

 

 それでは。

 

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「アトリエ 竹日和」

竹工芸師 西原悟志

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