籐が危ない!?
竹細工(竹工芸)に籐はかなり用いられていますが、ここ数年、籐の入手が難しくなってきているようです。
※追記(2016年11月19日)
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具体的に
丸籐の供給は先行きが不透明で、入手できなくなる日も来るかも知れません。
皮籐については、今のところ価格が上昇しているくらいで、まだ供給に陰りは見えないのですが、数年・数十年先はやはりわかりません。
安定供給が望めないと仕事をする身にとっては厳しいところがあります。
- 今後は
そこで、私はこの数年で籐の代替を模索していこうと決めました。まあ、ほとんど竹で置き換えることになりそうですが、ものによっては見通しが立ちにくいものもあります。
【丸籐】
丸籐の場合は竹による代替は割と見通しが立っていて、ある程度の試行錯誤で形になりそうです。
来年(2017年)中には交代していきたいです。
【皮籐】
皮籐については、「縁巻き」はすでに竹でも行っていますし、後は巻き方のバリエーションやデザイン、皮籐のように結び目が基本的にはできないことへの改善や補強策などを試行錯誤すれば、時間はかかるかも知れませんが何とかなりそうです。(それまで皮籐はもってくれそうですし・・・)
問題なのが「米の字止め」や「十字結び」などの「結び」。竹は若いものでも皮籐ほど柔らかくなく、竹の節は折れやすいので、そのままでは結びには使えません。竹縄にして用いるか、他の何か別の素材を用いるか思案中です。
それぞれ出来次第、実用化していきたいと思いますが、来年中には難しいかも知れません。
- 原材料の大切さ
こんなことがあって頭を悩ませていますが、もの作りは材料がなければ何もできません。死活問題なのです。特に工芸・手仕事関係では「担い手がいない」「経済的に立ち行かない」と並んで「材料が手に入らない」というのが衰退の理由となっています。
ですので、本当に重大な問題なのですが、まあ、何とかするしかありません。今までも何か問題が生じても、そうして何とかしてきましたので、今回も何とか乗り越えられるでしょう!私は危機的な状況でやる気が出るので、そういう性格だけは自分に感謝したいと思います(笑)
- チャンスでもある
こういう危機的な状況は逆にチャンスでもあります。商品や作品のデザインが良くなったり、オリジナリティ強くなったり、強度が増したり・・・。結果的には良くなったりします(というより良くします!)。
否応なしに変革を求められるので、自分の経験としても貴重な経験を積むこととなり、技術的な向上や今後の他の危機的状況に対してもうまく対処できるようになるでしょう!実際に今までの人生、そういうことが多々ありました。今回もそういう「試されるとき」なのだと思います。
- 追記
※皮籐に関しては、注文が可能な限りにおいて、要望があれば使います。
- 追記(2016年11月19日)
※このお知らせを見てくださった方や、口頭でお伝えしたところ、多くの方が籐は継続して使いたいとのことでしたので、竹による代替計画を進めていきながらも丸籐も皮籐も手に入る内はずっと使えるようにしていきたいと思います。